そう思ったことはありませんか?
私自身、ブラック企業で働いていた経験があり辛い経験をしてきたのでブラック企業は一刻も早くなくなってほしいと願っています。
最近、分かったのですが日本が資本主義経済である以上、どうやらブラック企業はなくならないようです。
資本主義では労働力も売買の対象
資本主義は
資本家が労働者から労働力を買って、その代金を上回る価値を生産して利益を獲得し、資本を増やしていく
という仕組みになっています。
私たちは、商品を買う場合はお金と交換して手に入れますよね?
例えばコーラを買う場合は100円、Tシャツを買う場合は3000円とお金と商品を交換します。
これと同じで資本主義の世の中では人間も商品だと定義されています。
奴隷ということですか?
奴隷時代のように強制的に働かせるのではなく、「資本家」と「労働者」双方の合意の上で労働力の売買が行われます。
1日8時間労働で時給は1000円ね
資本主義では労働者も労働者も平等なので、労働者には提示された賃金で働くor働かないを決める自由があります。
もちろん資本家にもその労働者の労働力を買うor買わない自由があるのです。
労働者は「搾取」されて当たり前
よくニュースで従業員に対する搾取が話題となりますが、資本主義の世の中では労働者は100%搾取されます。
これは資本家が悪い奴だからではなく、資本主義の仕組みとして労働者は搾取されるようにできているのです。
今からその仕組みを説明します。
労働者が受け取る給料の仕組み
労働者の給料は「労働者が明日も元気に仕事ができるようになる為に必要なお金」です。(経済用語では労働再生産費と言います)
例えば、労働者がある資本家の工場で働くとします。
1日中働いてクタクタで腹ペコです。ご飯を食べたり、ゆっくり休める環境がないと明日も元気に働くことができません。
こうしたことを補うコスト(食費や住居費)が労働者の給料なのです。
労働者Aは日給5,000円と自分の労働力を交換しました。給料=再生産コストなのでこの労働者は1日5,000円分働けばいいのです。
ある日、4時間で5,000円分働きました。
契約では1日8時間労働だから、残り4時間働いてよね。
4時間で5,000分の価値を生み出している労働者Aが残り4時間働くと生み出す価値は5,000円以上となりますよね。
このプラスαで出た価値が資本家にとっての利益です。5,000円で労働力を買ってきて、5,000円以上の価値を生み出すことによって儲けるのです。
また労働者側にとって見れば自分の給料以上に働かされるので「搾取」されていることになります。
こうみると「資本家は最低だ!」と叫びたくなりますが、これが資本主義の仕組みでこのサイクルを繰り返すことで私たちの世界は成長を続けているのです。
資本家が労働者に配慮することはない
資本家としては労働者を長く働かせれば働かせるほど、利益が発生するので労働者が病気になろうが死のうが長く働かせたいのです。
長時間労働はこうして生まれました。
資本主義は資本をたくさん増やせた人が勝ち!という終わりなきゲームなので資本が増やせる以上、資本家が労働者の健康や寿命に配慮することはないのです。
資本主義のルール下では資本を増やすことが正義なので、労働者をこき使って、限界まで搾り取るブラック企業がドンドン生まれ続けてしまうのです。
今回、紹介した内容は今から約150年前にドイツの経済学者マルクスによって書かれた「資本論」に全て書かれています。
こちらは、池上さんが資本主義の仕組みや問題点についてとても分かりやすく解説してくれているので
「なんで労働者は搾取されるんだろう?」
「なんで給料が上がらないんだろう」
と疑問に思う人はぜひ読んでみてください。