新卒でブラック企業に入社した私。
テレアポにセンスがなかった私は営業に出されました。
アポインターは電話してアポを入れれば役割は終了です。
しかし、営業は客先に訪問して営業して、契約書を書いてもらって、その後のフォローまでしなければなりません。
正直、営業の方が仕事が多いし、お客さんと直接やり取りするので、クレームに巻き込まれるリスクも高かったです。
1回の営業で3回の業務連絡
光通信の営業マンは1回の営業で3回の業務連絡をしなければなりませんでした。
営業に入る前
まず、営業先に到着して訪問する前に上司に「オス!今から、入ります」という連絡を入れます。
この時は上司の気分によりますが、基本的に「おう!」「頑張ってな!」という感じで送り出されます。
商談途中
商談途中に上司に現在の商談の進捗を相談しなくてはなりません。
これが一番めんどくさかったです。
そもそも、商談途中に上司に連絡するタイミングを探すのが難しいです。お客さんの目の前で電話する訳にもいきませんので、途中で退出する必要があります。
どうにかこうにか、タイミングを見つけて連絡するも
と言われ終了です。
やらなかったら、バチバチに詰められるのでとりあえずやってましたがマジ謎なシステムでした。
営業、終了後
客先を出た後に「オス!出ました」と営業終了の業務連絡を入れます。
契約が取れている場合は褒められますが、取れていない場合はボロクソに詰められます。
電話越しで詰められ、会社に戻ってからも詰められます。
激昂した上司が投げる電卓が社内を飛び交う光景は珍しくありませんでした。
即決しか許されない
光通信の営業は訪問したその日に契約を取る即決スタイルです。
即決で取れない営業マン=弱い営業マンというレッテルを貼られていました。
正直、テレアポの時点では「話を聞いてもらうだけで結構なんで〜」とか言っているのに、いざ訪問したら契約してください!はかなり無理があるなぁと感じていました。
お客さんによっては検討したい人もいるのに、あの手この手を使って即決を迫ります。
とか自分も言ってましたけど、基本嘘です。
明日になっても来週になっても同じ価格になります。
契約が取れないと上司に詰められるので、みんな必死に即決を取りにいきます。
ぶっちゃけお客さんの都合なんて二の次です。
場合によっては警察を呼ばれる
商談中に上司に連絡しても「契約取れるまで帰ってくんな!」「勝手に客先出るな!」と言われます。
何人かの気合いが入った営業はお客さんに「帰ってくれ」と言われても居座り続けていました。
結果、警察を呼ばれたり、呼ばれそうになります。
契約が取れていなくても、こういう営業をした営業マンは讃えられていました。自分としては、人に嫌な思いをさせて、警察まで呼ばれてなんで褒められるのか、さっぱり意味が分かりませんでした。
受注後はクレームの嵐
どうに契約を取ってきても、後日必ず何件かクレームが発生していました。
契約を取りたい一心で商談の時にいい情報しか言ってないので、お客さんからすれば「聞いてた話と違う!」となるんですね。
ブラック企業の怖いところはここからで、普通なら担当営業が対応する。それでもダメなら上司が対応するという流れだと思います。
しかし、光通信の場合は人の回転率がめちゃくちゃ早いので、クレームが来た時には担当営業は辞めているなんて事が頻繁にあります。もちろん引き継ぎなんてありません。
結果、クレームがたらい回しになります。誰が貧乏クジを引くかロシアンルーレットです。
終電で帰る毎日
日々の激務やクレーム処理に終われ、帰るのは毎日終電です。
え?残業代ですか?
そんなものはありません。一応、みなし残業制になっていたので45時間以上残業した場合は残業代が支給されるべきなのですが、全くありませんでした。
あまりの時間のなさに家に帰らず、近くのホテルにずっと泊まってる人もいました。
ノルマを達成すれば、インセンティブが支給されるので達成した月の給料は凄く良かったです。
しかし、使う時間がないんです。そうなったら、人はどんな場所でお金を使うのか?
そう。キャバクラや風俗です。
仕事終わりにキャバクラに行ってお酒を飲んで、近くのホテルに泊まってまた出勤。こんなルーティンの猛者もいました。
自分としてはお金をたくさん稼げても、そんな使い方は嫌でしたし、何より体が持たないと思いました。そして、入社からちょうど1年過ぎた頃に自分は光通信を退社を決意しました。
入社当時は100人ぐらいいた同期は退社時に1ケタまで減っていました。
転職先を決めずに退職したので、次が決まるか不安でしたが無事に転職できました。
転職する時も、仕事を辞めて留学する時も空白期間ができることが不安でしたが、実際やってみると案外何とかなるもんです。